エンジニア兼個人投資家のたけです。
今回は大人気の米国ETF、VT(全世界株式)とVTI(米国株式)、VOO(S&P500)をpythonを用いて株価解析と時系列予想を行います。
比較した結果は、過去の運用実績だとVOO≧VTI>VTとなりました。
時系列予想した結果では3銘柄すべて今後も順調して成長していくことが予想されました。
あくまでも、これまでの運用実績をもとに算出しているので、今後もこの結果通りに成長するとは限りません。
だが、全世界株式と米国株式のどちらに投資するのが良いと迷っている方の少しでも参考になれば嬉しいです。
今回、pythonのコードについては省略しましたが、興味のある方はこちらの記事を参考にしてください。
- 米国ETFに興味のある方
- 全世界株と米国株式どちらが良いか迷っている方
- 米国ETFの過去の実績を知りたい方
目次
比較対象 VT・VTI・VOOとは?
VT・VTI・VOOは米国ETFの一種です。
世界最大級の資産運用会社であるバンガード社が運用しています。
運用規模が大きく、歴史も長い、大変信用が高く人気の商品です。
VT(Vanguard Total World Stock ETF)
米国株式だけでなく、先進国・新興国も含めて投資するETFです。
全世界にバランスよく投資することができます。
詳しくはこちらから⇩
VTI(Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF)
米国株式市場全体を投資対象としています。
大型から中小型株を含めた3500社以上が投資対象。
詳しくはこちらから⇩
VOO(Vanguard S&P 500 ETF)
米国の大型株500種に投資、S&P500に連動する動きを目指すETFです。
詳しくはこちらから⇩
投資先まとめ
米国株 | 先進国株 | 新興国株 | |
VT(全世界株式) | 大中小型株 | 大中小型株 | 大中小型株 |
VTI(米国株式) | 大中小型株 3500社以上 | ー | ー |
VOO(S&P500) | 大型株 約500社 | ー | ー |

分散はVT>VTI>VOOの順でできているよ。
投資先を分散させたい場合はVTを選択すると良いでしょう。
投資手数料
投資信託やETFに投資する際に重要な指針となる運用手数料を比較します。
すべての手数料は0.25%以下と大変低い手数料で運用できるます。
運用手数料 | |
VT (全世界株式) | 0.25% |
VTI (米国株式) | 0.07% |
VOO(S&P500) | 0.06% |

手数料はVOO>VTI>VTだね。
VOOは先進国や新興国に投資するため手数料も高くなるね。
手数料を下げたいならVOOが一番良いね。
株価時系列比較
まず各ETFの株価推移を比較します。
2011年10月を100としたときの2021年10月までの10年間の各株価の推移です。


VTIとVOOはほぼ同じ推移をしているね。
一方で、VTは米国以外にも投資している影響でリターンが下がっています。
2011年10月から2021年10月までの十年間で各ETFは何倍になったか示します。
2011年10月から何倍になったか | |
VT(全世界株式) | 3.11倍 |
VTI(米国株式) | 4.92倍 |
VOO(S&P500) | 4.91倍 |
VTは約3倍、VTI,VOOは約5倍と資産が増加したことが分かります。
10年で5倍に資産が増えると考えるとすごい倍率です。
月次収益率の比較
月次収益率について比較します。
推移を下記のグラフに示します。

3銘柄とも似た推移をしています。より詳しくデータを解析し比較していきます。
相関関係の比較
まずは各ETFの相関関係を調査します。
下記に相関関係をまとめました。
VT(全世界株式) | VTI(全米株式) | VOO(S&P500) | |
VT (全世界株式) | 1.00000 | 0.964696 | 0.960671 |
VTI (全米株式) | 0.964696 | 1.00000 | 0.995793 |
VOO (S&P500) | 0.960671 | 0.995793 | 1.00000 |

全て相関関係が0.96以上と、相関関係がかなり高いね。
前回実施した日経平均株価とS&P500の相関関係は0.51であることと比較すると、相関関係が高いことが良くわかるね。
次から相関関係について詳しく見ていきます。
VTとVTIの相関関係
相関関係が約0.96と高い。
理由を考えると下記の2点があげられます。
- VTの投資対象の6割が米国株式であるため。
- 外国株式市場全体が米国の影響を受けているため。
相関関係を下記のヒストグラム付き分布図でも調査します。
各点が直線状に並んでいるほど相関関係が高くなります。


やや広がりがあるものの、きれいに直線状に各点が並んでいるね。
相関関係が高いことがわかるね。
VTIとVOOの相関関係
一方で相関関係が0.99と密に関係している理由は下記が考えられます。
- 同じ米国株式市場に投資しているので、傾向はほとんど変わらない
VTIとVOOの分布をみてみましょう。


きれいに直線になり、相関関係が高いことが良くわかるね。
月次収益率のヒストグラム
月次収益率がどのようにな確率分布になるのが、ヒストグラムで表します。

リターンがプラスになる確率>マイナスになる確率 ということが分かります。
3銘柄でややグラフの分布は異なりますが、おおむね同様な傾向があることが分かります。
グラフを重ねてみます。


ほとんど差がないね。
グラフの形は前回と同じく、きれいなガウス分布でなく、左右非対称でマイナス側にグラフが広がっており、暴落がしばしば起きていることが読み取れるね。
年換算の平均リターンと標準偏差
3銘柄の年換算平均リターンと標準偏差を下記の表にまとめます。
mean | sd | mean/sd | |
VT | 0.117011 | 0.140072 | 0.835368 |
VTI | 0.164187 | 0.137684 | 1.192490 |
VOO | 0.163043 | 0.132541 | 1.230138 |
VTは年11%, VTI・VOOは年16%と高いリターンを出していることが分かります。
リターン/リスク(mean/sd)ではVOOが最も高く、過去の投資実績では一番良かった結果になりました。
リスク(sd)を比較すると VT>VTI>VOO となり投資先を分散するほど高くなりました。

過去の実績だとVOOが一番良いことが分かったね。
また、投資先を分散するほどリスクが高くなることは驚きでした。
世界各国で起きる余計なリスクを負っているということでしょうか。
時系列予想
prophet関数を用いて各銘柄の1年後までの時系列予想をします。
黒線が実際の株価。青線が予想値、薄く青い範囲が予想の範囲を表しています。
あくまで時系列予測ですので、大きな事件が発生したら外れることも想定されますが、傾向を把握するうえで今後の参考にはなります。
VT

VTI

VOO


各銘柄とも右肩上がりで上昇していくことが予想されているね。
まとめ
VT(全世界株式)とVTI(全米株式)、VOO(S&P500)をpythonを用いて比較を行いました。
過去の実績はVOO>VTI>VTであることが分かりました。
今後も米国株式が最強だとしたらVOOに投資するのは良い選択肢になりそうです。
一方でVTも全世界への分散しながらも高いリターンをこれまで出してきました。
米国以外の国が成長した場合とVTは米国以外にも投資しているため、リターンが上がることも想定されます。
今回比較した3銘柄とも大変良い成績を残してきて、どれを選択しても良いと思いますが、迷う方は下記を参考に決めると良いでしょう。
- 今後も米国が世界経済の中心と思う方 : VTI or VOO
- 今後は米国以外の国が伸びると思う方 : VT

ちなみに私は今後は米国以外の国が伸びてくると思うので、VTを中心に投資しています。
実際のpythonのコードはこちらの記事を参考にしてください。
プログラミング初心者でも簡単にシミュレーションできますので、ぜひ一度再現してみると新たな発見があるかもしれません。
本ブログではインデックス投資を初心者にはお勧めしています。
ぜひこちらの記事を参考にして投資をはじめ、豊かな資産を築きましょう。
参考記事
本記事で紹介したVT・VTI・VOOについて詳しく紹介されています。
銘柄選定する際にこれらも参考にしてはいかがでしょうか。